皆さんこんにちは。
Worlds 2017(WCS 2017)はグループステージも終わり、準々決勝進出チームが確定して、いよいよという所まできましたね。
ケイトリンのメタ復帰、ギガバイトマリーンズの敗退、チームソロミッド(Team SoloMid)はまたグループステージ敗退・・・。
色々と見どころがあったWeek 2ですが、中でも目立ったのはWeek 1で好調だった「NA勢の不振」ではないでしょうか。
NAにとってはここ数年、世界大会では苦戦が続いていただけに、Week 1での好調はかなり希望の持てる結果でした。
目次
NA 3チーム Week 1の結果
NA勢のWeek 1の結果は以下の通りです。
Team SoloMid(TSM):2勝1敗
Immortals(IMT) :2勝1敗
Clooud9(C9) :2勝1敗
全てのチームが勝ち越し、地域別に見ると、2位の記録を残しました。
1位:LCK(韓国) :8勝1敗
2位:NA LCS(北米):6勝3敗
3位:LPL(中国) :5勝4敗
ところが、Week 2では一気に負けを重ねていくことになります。
NA 3チーム Week 2の結果
NA勢のWeek 2の結果は以下の通りです。
Team SoloMid(TSM):1勝3敗 (タイブレークのため1試合多い)
Immortals(IMT) :0勝4敗(タイブレークのため1試合多い)
Clooud9(C9) :1勝2敗
地域別の成績でもNAは2勝-9敗と壊滅的です。
NAの呪いの原因は分析力?バンピック?
NA勢が負けた原因、そしてWeek 1で不調だったチームがWeek 2で好調になった原因として、戦術の変更があるかと思います。
Team SoloMid (TSM)
TSMを倒して2位通過を決めたMisfits Gamingはタイブレークでの試合でも、TSMのやりたいことを徹底的に封じることに成功していました。
HauntzerがピックしたJayceを完璧に封じ、スプリットプッシュをさせず、一方的なゲームを展開しました。
この試合ではTSMにもKarmaのピック、Jayceのピック等少し工夫が見られましたが、結局はゲームを上手く運べず、敗北を喫します。
個人的にはトップレーンへのカバーを上手くできていないSvensKerenという存在や、長い試合をすることで後半にパワースパイクを集め、逆転していく流れを得意としていることを考えても、
このピックはよくなかったのかなとは思います。(結果論かもしれませんが。)
確かに、その前の試合であまりいい流れで試合をできていなかったために、戦術を変えたかった狙いは分かりますが、分析が足りなかったのではないでしょうか。
Bjergsenもこのようにツイートしています。
Extremely sad, but if we are going to play at this level we just don't deserve to get out of groups. It's that simple.
GL to Misfits!
— Søren Bjerg (@Bjergsen) 2017年10月14日
Immortals (IMT)
一番苦しい結果となったのはImmortalsでしょう。
0勝3敗となってしまい、合計での成績は2勝4敗。
それでもFnatic、GIGABYTE Marines、Immortalsの3チームが2勝4敗で並んだためにタイブレークへ。
タイブレークでも負けてしまい、Week2はなんと0勝4敗・・・
合計では2勝5敗で終戦となりました。
Immortalsはチームとしての世界大会での経験が少ないため、仕方なかったのかもしれません。
それでも、Longzhu Gaming以外は強豪と呼べるチームをおらず、チャンスのあるリーグだっただけに、もったいない結果となってしまいました。
このグループで対照的だったのが、EUのFnatic。
FnaticはWeek 1を0勝3敗という絶望的な戦績で折り返しました。
しかし、Week 2の3戦を2勝1敗とし、更にはタイブレークで2勝を上げてWeek 2合計では4勝1敗と見事に準々決勝進出となりました。
Cloud9 (C9)
Cloud9も他のNA 2チームと同様、大きく戦術を変えることなく、Week 2に臨みました。
1戦目はEdward Gaming戦。
Edward GamingはWeek 1では絶不調。0勝3敗という結果になっていましたが、
完璧に修正してWeek 2に臨んでいました。それに対して、Cloud9は何も用意していなかったかのような、バンピック。
ここでもWeek1からの分析や修正といった面でチームとしての差を見せつけられてしまいます。
Cloud9は、大事なWeek 2の初戦であっさりと負けてしまいます。
Play in stageやWeek 1でも見せたように、SKT T1との試合でも、ジャングラーのContractzはEzrealを再びピックしました。
しかしながら、世界大会レベルのチームとなってくると、一度見せた戦術は分析されてしまいます。SKT T1のような優勝候補のチームであればなおさらです。
そんな相手に同じ戦術が通用するわけもなく、簡単にゲームを落とし続けました。
追い込まれて臨んだAHQ戦でCaitlynをピックするなど、ようやくドラフト戦略を変更しましたが、最初から用意していなかったという点ではTSMやImmortalsと同じでしょう。
それでも、世界大会ではそれなりの成績を残している経験があるだけに、最終戦のドラフト戦略で勝ったのは流石Cloud9とも言えます。
Cloud9にはReaperedという韓国人のコーチがおり、SK telecom T1やEdward Gamingに在籍した経験もある実力者であるだけに、戦術的な敗北は少し残念ではありますね。
それでもNAでは最も世界レベルに近い戦いをできるチームだと評価してもいいのではないでしょうか。
このグループでもEdward Gamingは対照的にWeek 2は素晴らしい戦いを見せました。(それでも SKT T1には負けてしまい、彼らの化け物感を強調させましたが。)
ポケットピックを持っていないのはNAスタイル・・・?
世界大会のような数週間~1か月に渡って戦う大会では、ポケットピックと呼ばれる、1試合限りのチャンピオンを選択することもよくあります。
日本語で言えば、「隠し玉」とでもいいましょうか。
そういった隠し玉と言われる戦術やチャンピオンを一切持っていないか、持っていても練度が低いのが今大会のNAの特徴だったと思います。
もちろん、韓国のトップレベルのチームと比べると、選手の実力が一緒とまではいかないとは思いますが、世界レベルの選手もNAには多くいると思います。
特にTSMのMidレーナーである"Bjergsen"やADCの"Doublelift"は世界レベルだと感じますし、Topレーンの"Hauntzer"もソロキルをとるなど、世界でも通用することを証明していました。
Cloud9の"Jensen"も世界で戦えるMidレーナーでしょう。
それだけに、チームとしての完成度、特にバックアップ陣の能力においては、韓国や中国に大きく離されているように感じました。
1対1では大きな差はなくてもチームとしての戦術面やコーチの差が、世界大会で結果を残せていない原因ではあると思います。
以前に、日本代表のRampageの敗戦の原因についての記事でも書きましたが、ドラフト戦略やバックアップ陣の能力は、トップチームに追いつこうとする全チームにとって必要な能力だと痛感できた世界大会ですね。
以前の記事はこちら↓
【LoL】RampageのWorlds 2017は0勝のまま4連敗で終了。今回の挑戦で気づいた日本と世界の差とは
TSMファンボーイの私としては、世界大会でトロフィーを掲げる"Bjergsen"を見たかったところですが、こういったことを改善できないようであれば、来年以降もNAは苦しい大会が続きそうですね。