Team SoloMid(TSM)のオーナーReginaldがWorlds 2017の敗戦後に今大会やTSMの過去についてインタビューを受けている動画があったので、翻訳していきたいと思います。
約40分のロングインタビューとなっており、多くのTSMファンの心配や批判を率直に聞いていきます。かなり細かい所まで聞いており、おもしろい動画となっているので、翻訳してみました。
将来的にチームをより良くし、最終的にTSMの最終目標を達成するために何ができるかについての Andy “Reginald” Dinhの洞察をどうぞ!
40分のインタビュー翻訳とかなり長いため、複数回に分けてお送りします。
第1回はこちらからどうぞ
第2回 この記事
第3回
第4回
第5回
※私が翻訳しているため、いくつかの翻訳ミスがあるかと思います。翻訳が正確でない可能性がありますが、ご了承ください。
TSMにはPraYを獲得するチャンスがあった?
インタビュアー:オーケー。多くの人がTSMや他のウェスタンチームのことを批判しています。ウェスタンチームは一度も決勝の舞台に立ったことがないとか、多くの良いウェスタンチームがWorldsではダメになるとかそういった理由ですが、TSMの場合は批判の内容が少し違うように感じます。
過去には、世界最強のADCと言われていたPraYもあなたが望めばTSMに入る状況にあったという噂があります。
TSMと他のチームへの批判が違う点は、私も詳しい内部のことは分かりませんが、TSMやオーナーであるあなたに、十分な資金があり、誰でも欲しいと思った選手を獲得でき、ゲーミングハウスの環境も素晴らしく、先ほど言ったように、Bootcampやコーチの雇用にお金をかけることもできるにも関わらず、結果が残せていないため、より一層多くの批判を集めていると思います。そのことについてはどう思いますか?
(PraYは現在はLongzhu GamingのADC。過去にはTSM入りの噂もあった)
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Reginald:確かにPraYを獲得する機会はありました。しかしながらこれはチームゲームです。LCKはチームでの戦いに優れているからこそ、他の地域よりも多くの勝利を得ていると思います。
LCKのメンバーは5人の選手が同じ言語で会話していることも重要ですし、韓国独特の視点や、チームで戦うという視点から勝利の文化を築き上げ、それが彼らの強さの秘訣でしょう。
私は5人の最も優秀なプレイヤーを各ポジションに配置することが、最強のチームを作ることだとは全く思っていません。
メカニカルスキルが拮抗している場合、個人の能力よりも、いかにチームで戦うかの方が重要です。
例えば、いかに集団戦を戦うかや、ローテンションをどうするか、どのように相手にプレッシャーをかけていくかといった所です。
これはリーグ・オブ・レジェンドのコンセプトのようなもので、このゲームが「シーソー」と呼ばれる理由でしょう。
ジャングラーがトップレーンに行けば、ボットサイドは安全ですし、ボットレーンに行けば、トップサイドは安全です。
そしてトップティアーのチームはこれらを本当に上手くやりますし、これは選手個人の能力によるものではなく、純粋にコミュニケーションや練習によって培われていくものです。
そしてこれこそが私たちの大きな弱点だと思っています。
インタビュアー:なるほど。私は以前にもあなたが単純に優秀なプレイヤーだからと言って韓国から選手を輸入することを否定しているのを聞いたことがありました。
あなたがコミュニケーションをより重要視していることも以前に聞いたことがありましたし、あなたがこのWorlds 2017の後でも同じ立場であることも理解しました。
特定の選手の名前を出す意味がないので、ここでは特に言いませんが、例えば世界一のトップレーナーや世界一のジャングラーが獲得可能な場合、そしてそれが韓国人だった場合も同じ意見ですか?
Reginald:私自身、メタによって考え方をよく変えますし、それについて何か答えを出すのは難しいです。
なぜなら、もしメタがレーン戦を重要視している場合、チーム戦に必要な能力は軽視され、メカニカルスキルや個人の能力を重視することになるからです。
私の考えはメタによって変わりますし、現在のメタでは、優位をとることが非常に重要で、常に正しい選択をしていなければいけません。
何かミスを犯せば、一瞬で不利になってしまいます。
だから何かこれについて言うのは難しいですし、チームによっても違うでしょう。
韓国のプレイヤーを獲得することでチームが良くなるのは10%程度でしょう。
メカニカルスキルの面では良くなるでしょうが、英語を学ぶのは韓国人にとっては難しいことでしょうし、ホームシックになるかもしれませんし、チームにいても幸せではないかもしれません。
だから、彼らがメカニカルスキルに優れているからといって、韓国人を獲得する必要性はありません。
韓国のチームが優れているのは、「ゲームの理解度」だけではなく、北米やヨーロッパのプレイヤーよりもコミュニケーションやチームとしての面で非常に優れているからです。
悲しいことに、私たちはこの問題を理解してはいますが、実際の所、選手のコミュニケーション能力を向上させることは非常に難しいことなんです。
私がまだプロの選手だった時もそうですが、北米やヨーロッパのプレイヤーは、個人の能力を高く評価しています。
どれだけCSを獲得できるか、レーン戦でどれだけの有利を作れるかといった所に重きを置いているんです。チームではなくね。
これが問題の核のようなもので、TSMではこの問題に常に取り組んでいますが、正直に言って、この部分で世界のトップチームに追いつくのは、極めて難しいことだと言わざるを得ません。
TSMの弱点 国際舞台で結果が残せない理由とは
インタビュアー:あなたが様々な観点から、個人の能力だけが優れたプレイヤーを獲得する必要性を感じていないことは理解できました。そういった所よりもいわゆるマクロの判断が重要だということもです。
それではこれを聞かせてください。
TSMはここ数年を通して、一つの問題を抱えているように見えます。
「ショットコール」です。NALCSではそれでも勝てていますが、国際舞台での大きな試合においてこの部分が欠けているのではないでしょうか。
もちろんTSMがこの問題について取り組んでいなかったわけではないことも分かっています。
YellOwStaRを雇ったこともありましたし、誰もが彼がチームを押し上げる原動力になることを期待しましたが、上手く機能しませんでした。
しかしながら、外部の人は、Reginaldが以前、ショットコーラーでミッドレーナーで、スターでしたから、あなたが、Bjergsenにもそれを満たすだけのことを求めているのではないかと思っています。
それについてはどうですか?
Reginald:(笑いながら)その当時と今では大きく違っていますよね。
各シーズンを見てみると、例えばシーズン3はFakerのメカニカルスキルが抜きんでて優れていました。
そのためにコミュニケーションがそれほど必要ではありませんでした。
しかし、シーズンが進むごとに各ポジションの選手がよりコミュニケーションをとることが非常に重要なスキルになっています。
例えば、ジャングラーは相手のジャングラーがどこにいるか、どこを通るか、どこにギャンクしそうか、インベードしてくるかどうかを常に予測する必要があります。
ボットレーナーであれば、ジャングルと協力してワードを置いたり、ドラゴンを獲得したり、タワーの管理も必要です。
ミッドレーンでもトップレーンでも同じです。
私がまだプレイしていた頃は、LoLはこれほど複雑なものではなかったですし、ショットコーラーへの期待が非常に大きかったですが、時間がたつにつれて、全員がより良いコミュニケーションを持つことが期待されるようになっています。
しかしながら、またこの問題の話に戻りますが、私たち今のところ、コミュニケーションに優れた5人がいるチームではありません。
結局のところ、これが今のTSMにとって非常に大きな壁となっています。